帰りたくない、そう思ってしまうのはいつの間にか私の心の中で大切と思うーーアルスの存在がいるから。
気づかなれば良かった、でも気づいてしまった。
この気持ちはきっと……
「アルス、私あなたが好き」
いつの間にか芽生えた恋心は、気づけばこんなにも大きくなってしまっていた。
でも、私とアルスは本来交わることの無い世界の人。
この気持ちを伝えた所で、私達は結ばれることはない。
それでもこの気持ちだけは伝えておきたかった。
後悔しないように、次の自分の道に繋げるために。
「私ね、最初はもうどうしたらいいのか分からなくて途方に暮れてた。でもアルスが私を助けてくれて、すごくすごく嬉しかった。本当にありがーー」
「お願いだから、行くな!」
私の言葉をかき消すようにアルスが強く言い放った。



