日本の文化と照らし合わせているから、違和感を感じてしまうのだろうか。


なんにせよ、この教会は少し街の人から遠い存在にあるということには代わりないのだろう。



「アルも久々に顔を見せに来たものだから、私嬉しくって〜」


「あの、アルスとのご関係って……?」



ようやく聞けたその質問にテーラさんは少し苦い笑みを浮かべた。



「私は、アルの母親代わりとしてあの子を育てて来ました」



思いも寄らないその答えに体が硬直した。


そんな私の反応が見えなかったのか、テーラさんはそのまま話を続ける。



「母親はアルが生まれてすぐに亡くなり、父親は優秀な方でした。魔法にも長けている中、大好きな汽車の乗車員として日々楽しそうに仕事をしていました」



父の背中を追って、と言っていたアルスの言葉がふと蘇る。


きっとお父さんと共に一緒になって働きたい、その思いがきっとあったんだろうな。