そんなことを考えていると、テーラさんが長い呪文を唱えると青白くクリスタルが光り輝いた。


蛍のように光がポゥ……と舞い降りてくるその光景に、私は思わずため息が漏れた。


その光はゆっくりと私を撫でていくように触れては消えていく。



「御加護が……汝にあらんことを」



先程までのテーラさんの穏やかなしっとりとした声とはまるで違う、凛とした声が部屋に響いた。


すうっと力が抜けていくようなそんな感覚に、静かに目を閉じた。


こだまする私の鼓動が一つ小さく跳ねた。



「さあ、光よ……その身に示せ」



テーラさんがそう言った途端に、目を閉じていても眩しい光が届いてきた。


恐る恐る目を開ければ、光り輝くクリスタルが微かに振動しながら光を放っていた。