終点は異世界でした。





色とりどりの花々を売る店が見えて、そこへと駆け寄った。



「いらっしゃいませ。今日も素敵な花たちが咲き誇っていますよ」



店の店主であろう綺麗なお姉さんがそっと微笑みながら、小さくお辞儀した。


水やりをしていた途中らしく、水に喜ぶ花々が生き生きと咲いていた。



「あら……もしかしてあなた、迷い人さん?」


「あ、はい。そうです」


「珍しいですね。王都で見かけるならまだ分かるのだけれど、住み慣れたこの街で見るのは初めて。どうかゆっくりしていってくださいね」



微笑むお姉さんに思わずうっとりしていると、アルスが私の横に立った。



「どれも素敵な花ですね」


「ありがとうございます。あなたは、迷い人さんの……恋人さん?」


「こっ!?!??!?!」



いきなり出てきたその単語に私は思わず声が漏れた。