【完】キミスター♡

「緋翠、一緒に帰ろ?」

「…うん」

「あれ?もしかして…予定入ってる?」


かたんと席を立ち、いつものように手を差し伸べると、一瞬戸惑いを見せた緋翠。
それに私が鋭く反応すると、ぶんぶんと首を振って否定した。

「ないよ〜ないない。俺のこと構ってくれるの、海夏だけだもん」

「はー…何言ってんのかね、この無自覚イケメンが」

「え?イケメン?どこにいるの?」

「…しかも天然…」