きっと…緋翠も緋翠なりに、私とのことを真剣に考えてくれてるんだ。


そう、思えるだけの勇気を、こうして緋翠本人から与えて貰えるから、私は頑張れる。 
まだ、乗り越えて行ける。

「海夏も、無理はしないで…?海夏に泣かれると困る」

そうやって、緋翠は私のおでこに自分のおでこをこつんとくっ付けた。

そんな大型犬のような緋翠があまりにも可愛くて、私はくすくす笑って、緋翠の髪を撫でると、その近寄った口唇の端に小さくキスを落とす。


「暫くは、これで我慢する!でもね?」

「…ん?」

「最後はちゃんと……緋翠から愛してね?」

耳元でそう囁くと、緋翠の頬が今まで見たこともないくらいに紅く染まった。