なんで?
どうして?


走り続ける間、そんな疑問が後から後から溢れてくる。
熱い涙と一緒に、ボロボロ溢れてくる。


「なんかもう、ぐちゃぐちゃだよっ」


一度は通じたと思った想いが、儚く散ったような気がした。

緋翠と付き合うことになってから、こんな風になることは一度もなかったのに…。


もしかしたら。
彼の優しさの中に…何時の間にか甘え込んでしまっていたのかな。

もしかしたら。
彼の想いを押し潰して…何時の間にか困らせてしまっていたのかな…。

そう思ったら、余計に悲しくなった。