「あのねー、お取り込み中悪いんだけどねー」


咲良が口を挟んだ。


「今日お墓に果乃のおばあさんいたんだよねー」



「え、まさか…」




「私…アメリカに行かなきゃかもしれない…」



「おばあさんがね、果乃に『あとでおうちに行くから』って伝えてくれって言ってたよー?」



「果乃?どうするの?このままじゃアメリカだよ?」



「どう、しよ…」



すると、家のチャイムが鳴った。



「ぼ、僕行ってくるね」


リビングを出て玄関へ向かう。


このまま、本当に果乃がアメリカに飛ぶことになったら…。


せっかく、外に出れるようになったのに。


これからいっぱい遊べるはずなのに…。



「こ、こんにちは…」


「こんにちは」



玄関のドアを開けたらそこには外国人…?


日本語ペラペラだけど…。



「あら、聞いてないかしら。私、アメリカ人だから。果乃の祖母です」


「あ、はい、どうぞ」


「ありがとう、邪魔するわ」



どうもこのお方は柚月と違ってお上品な奥様な感じです。



「果乃は、どこにいるの?」


「あ、こちらです、どうぞ」