うそつき

「そのままの意味だよ、千都には悪いけど…」



果乃は一息つくと涙を流しながら呟いた。



「私、ずっと嘘ついてた。


千都と付き合ってたけど、千都には恋愛感情を抱けなかった、ずっと友達にしか思えなかった。




でも、姉さんは千都のことが好きで…。



千都を取られたくなかっただけなの。


姉さんは負けたくなかった。



だから付き合ってた。



…私、最低でしょ？全部私の不注意が起こしたんだよ」



そう、だったんだ…。千都の方をチラッと見ると机に肘をついてつまらなさそうな顔をしていた。



「ごめんね、千…」



「知ってたよ」



千都はそう呟いた。果乃の言葉を遮って。



「果乃が俺のことを好きじゃないことも、なんとなくあやが俺に好意を向けてくれていることも。


果乃に利用されてるのもなんとなくわかってだけど、それならそれでもいいと思ってた。



それぐらい、俺は果乃のことが好き」




果乃は複雑そうな顔をした。



「なんだ…全部わかってたの…」


「好きな人のことだからね」


「それじゃあなんで、私のことなんかを…」


「好きに理由なんて必要？」



果乃は首を振った。



「ありがと、ごめんね…」


「いーえ、俺はずっと、果乃のことだけ好きだよ」



こういう状況だから僕くちださないけど、普段だったら千都殴ってそう。