「お菓子持ってきたよー」


そう言って唯兎くんはお茶とお菓子を並べる。



「あ、どーも」


「ありがとねー」



ポツンと男の子1人投げ入れられたみたいになってる。


女の子ばっかりだからね。



「唯兎くんって言うのー?」


「あ、はい、まぁ」


「へぇー、可愛いねー」


「あ、はい」



生粋の男好き、咲良が唯兎くんを品定め中。


あわよくば落としてやろうと露出の多い服を着てきたんだろうけど。


なんか…やだ。


唯兎くんはダメ…。



「咲良、お話ししよ?」


「えー、今は唯兎くんー」


「だ、ダメなの!」



咲良の服の裾を引っ張ると咲良はこっちを向いてニヤッとした。


「…ふーーん」


え、なに、怖い。


「そっかそっかー、果乃は唯兎くん大好きだねー」


…っ


顔が、熱い。


絶対今顔赤い。


チラッと唯兎くんの方を見るとしゃがみこんで顔を隠している。


耳…赤い。



「ほらほら、唯兎も顔見せなさいよ。耳赤いんだから顔も真っ赤になってんでしょ?」



ニヤニヤと柚月は唯兎くんに近づいて揺さぶり回す。



「ああ無理恥ずかしい!」



そう言って唯兎くんは部屋から出て行ってしまった。