「はぁ!?女の子と一緒に寝ただぁ!?」


「声でかいよ!」


「ご、ごめん」



体育祭。


現在和馬が出る100メートル走が行われている。


そして僕の隣には、その彼女、『White liar』のボーカル、木下柚月が。



「女の子って、付き合ってる子?」



僕が首を振ると柚月は僕の肩を掴んで叫び始めた。


「なにそれ!?なんなの!?手出したの!?バカなの!?」


「出してない!!あの子が来たんだって!!」



今朝。


起きると果乃が僕の腕の中で寝ていた。



『んー…おはよ…』


果乃はとろりと目を開けるとまた僕に抱きついてきた。


『…今日、がんばって』


そう言ってまた眠りについた果乃。


…あれはマジで反則だと思う。



「あんた男でしょうが。そういうのはよろしくない」


ふと、100メートル走のレーンを見ると和馬の番だった。



「ほらほら、和馬走るよ」


「もう…」



そう言いつつも、嬉しそうに和馬の方を見る柚月。



うっとりしている。



そして、和馬がレーンに着く直前こちらを向いてニコッと笑って手を振った。


こっち方面にいる女子たちはキャーっと悲鳴をあげる。


実質、柚月しか相手にしていない和馬は気にせず余裕の1着で戻って来た。


「どう?がんばっただろ」


「うん、お疲れ様」


「さんきゅ」