【短】残月、残滓、残照、残恋。そして、残愛…。

「それって…」

「そ。もうね、あんな風に逃げられるのも、泣かせるのも、懲りたから。泣くんだったら、嬉しさで泣いて欲しい。逃げるくらいなら、飛び込んで来て欲しい…彩雪の中、オレだけで埋め尽くしたい」

「ソ…ウ」


気づけば、ハラハラと溢れる涙。
ソウなそんな私を静かに抱き締めた。


「ほんと、今すぐなんてこと言えないけど…結婚、しよ?彩雪じゃなきゃ、オレ駄目だから」

「…〜っ…気が早い〜…」


いつの間にか、窓の外は雨が上がって、太陽がキラキラと残った雫を照らしていく。

そんな中で、誓いを立てるようにキスをして…。
ソウは、私の左手の薬指にも、そっと口唇を落とした。


「ココは、オレだけのものだから…ね?」

「そんなの…知ってる…っ」


荒々しかったキスは、ふわふわと羽のように優しく泣きたくなるほど、誠実なものだった。


ねぇ。
めまぐるしいこの世界で…。
私に、自信という光をくれたのは、間違いなく貴方だけ。


今まで信用なんて出来なかったけれど…今なら信じてもいいと思ってる。


「彩雪は、嵐みたいなモデルだからね」

「…それってどういう意味よ?」

「くるくると色んな表情を見せて、飽きさせないって意味。…もう、虜だよ…」


このことが、はなさんの耳に知れたら、滅茶苦茶怒られるかも…と一瞬頭を過ぎったけれど…。
それでも、この愛しい人の温もりが、思った以上に心地いいから…私は目を瞑ってそのままソウの胸の中に収まることにした。



ありあけの月。
それを切り撮った、貴方好きだよ…。


恋が残り留まって、胸が苦しくなって…。

それでも、このまま深く長く。
愛の渦の中で…抜け出すことなく、溺れてしまおう。


そんな私の6月の物語。
まだまだ始まったばかりの、恋物語…。



Fin.