内心、逆ギレで足音がする方を見つめる。
街灯が照らした謎の男の顔は…。
「邪魔。通れない」
見たことがあった。
え…?
もしかして、
2年前の雨に打たれていた…あの男の人……?
もう激怒しているおじさんなんかの声は聞こえない。
それくらい釘付けになった。
よく見たら私と同じ制服を着てる。
殴りかかったおじさんをヒョイっと軽々と避けて、おじさんをいとも簡単に気絶させた。
「……」
一気に静かになったこの場。
何か言いたいのに言葉が出ない。
「あ、…の!」
やっとの思いで出た声はかすれていた。
こっちを見るあの人。

