「はぁ・・・・・・」

あの状況を目の当たりにしたあたしたち3人は、溜息をつきながら校舎の中を歩いていた

美結のこわばった顔

飛翔の無残な姿

目に焼き付いて離れない

そして────

「終わらせて、か・・・・・・」

あたしの手の中にある、あの生地の欠片

何を終わらせて欲しいのか・・・・・・それは、言われなくともわかる

このゲームを、終わらせて欲しいんだ

でも、どうして?

鬼は、どうして鬼になった?

なんで、終わらせて欲しいの?あなた達が、クラスメイトを連れ去り、無残な姿にしたというのに

何故・・・・・・っ

「結月」

「美月・・・・・・」

急に立ち止まった美月に驚きつつ、あたしと聖歌も足を止めた

「・・・・・・数年前の事件、覚えてる?」

「数年前の事件?」

何それ?

あたし、記憶力悪いからさ・・・・・・全く、覚えておりません

「それって、とある小学校の五年生の一クラスの生徒全員が突然消えた・・・・・・っていう?」

「そう」

え、聖歌おぼえてんの?

「覚えてない方がおかしいわよ・・・・・・彼らが生きていれば、今私たちと同い年。そして、こんな噂があるの」

噂・・・・・・?

「そのクラスの中から、唯一生き残った女子生徒が1人、転校していった・・・・・・ていう噂」

へ?

生き残った女子生徒が1人、転校していった?

っていうか、なんでそんなこと知ってんの、美月・・・・・・

「そ、それは知らないなぁ・・・・・・でも、それがどうかしたの?」

「これは私の勝手な推測だけれど、もしかしたら────」

美月が言いかけたその時

ガタンッ