全員がそろって勘違いした・・・・・・?

いや、そんな偶然があるはずが無い。そんなの・・・・・・奇跡以外なにものでもない

なら

「ふふっ・・・・・・みぃつけた」

ひゅん

小さな音を残して、あたしの前にいた───

陽介が、消えた

「な・・・・・・よ、陽介?!」

放送室のことは一瞬で吹っ飛んだ

あたしの目の前で、陽介が消えた

なんの不審も抱かず、女の子は陽介を連れて行ってしまった

「う・・・・・・ふぅっ・・・・・・」

何故か、急に吐き気がせり上がってきた。思わず、その場に座り込んでしまう

人が、あたしの目の前で───間に誰も挟まずに───消えたことは、予想以上にショックだったようだ

それに、今まで時間を共にしていたクラスメイトなら、なおさら

「大丈夫?結月ちゃん」

聖歌があたしの背中をさすってくれて、徐々に吐き気は収まっていく

「だ、大丈夫・・・・・・ありがとう」

回復したあたしは聖歌にお礼をいって、立ち上がる

「放送室には、来ない方がいいわ。行きましょう」

「そうだね。あたしも美月の意見に賛成」

美月に美結が賛同して、一旦その場を離れることにした

放送室を見に行って、陽介は連れていかれた

多分、放送室には見られてはいけないものがあるんだ

だから、誰かを連れて行って、警報として・・・・・・

うん、そうだろう。そういうことにしとく

「それじゃあ、まず休憩しようぜ。疲れた」

「さんせー」

「うん、疲れた」

「はぁ〜」

「どこに安全区域があるのか聞きたいわ」