みんなでハイタッチ!

よかった、上手くいって・・・・・・


あたしたちの作戦はこうだ

あたし(結月)が一旦の囮になる。そして、鬼の視線を生徒から外し、あたしに絞る

でも、鬼が走り出す直前に、あたしの姿を精一杯全員で隠し、一番前にいた飛翔に絞らせる

鬼が走り出すより先にあたしと聖歌は走り出す。これは、足の速さを考慮したものだ

一旦あたしが囮になったのは、もしも鬼が誰よりも先に走り出した時、捕まる恐れを防ぐためだ

飛翔に任せてもよかったんだけど、ダメだと思った

だって、これを言い出したのはあたし。この行為が本当に救出であるという確証もない

だから、そこまで飛翔に危険を伴うようなことは、なるべく少なくして欲しかった

で、飛翔が鬼を連れて体育館に入り、その中で十分な距離をとった後

猛ダッシュで体育館を出て、その瞬間にドアを閉めて

鍵をかけ、鬼を隔離する。

無論、ほかの扉も鍵を閉め切っているので、誰かがこの鍵を開けない限りはこの鬼は解放されない

その鍵は、あたし達で持っていればいい

作戦、完璧っ・・・・・・!

・・・・・・たてたのは、美結、美月、陽介だけどネ

「ね、ねぇ」

「ん?」

声をかけられた。この声は・・・・・・檸檬と愛佳?

「あ、ありがとう」

「ううん。これくらい大丈夫。それに、もしかしたらこれが・・・・・・」

言葉を続けようとした瞬間

『ザザッ・・・・・・小野飛翔、日比野陽介、小野聖歌、加賀野美結、羽田美月、羽田結月、救出確認』

やっぱりだ!

「え、どういう・・・・・・?」

愛佳も混乱しているみたいだ