「はぁー…」
「なーに溜息なんかついちゃってんの?」
「あー…陽菜さん…」
「悩んでんの、凪月らしくないよ?」
悩みの種は、陽菜さんそのものなのに、それを彼女はまるでなかったことみたいにしてしまう。
「…ん?」
「や。なんでもねぇ。陽菜さんには分かんねぇと思うし」
「む。なにそれ?凪月の癖にむかつく」
「……ガキ大将かっての」
あからさまにムッとしてる陽菜さんに、それだけツッコむと俺はくるりと踵を返して、いつもの場所を目指した。
あー…たりぃ…てか、だりぃ…。
俺は頭をかしかしっと掻いて、ふっと短く溜息をついた。
最近、溜息多いな…俺。
なんかもう、どうでも良くなってきた。
ような…気がする。



