きみとなら、雨に濡れたい




すると、「ぷっ」となぜか美憂が吹き出した。


「やだ。同じこと言ってる」

なんのことだか分からなかったけれど、そんなことよりも気がかりなことが……。


「ごめん。私なんにも用意してないよ」

双子なので当然、美憂の誕生日も今日。もちろんサプライズでプレゼントできるものなんて買ってない。


「はは、いいよ。私が和香ちゃんの誕生日をお祝いしたかっただけなんだから」

「ありがとう。大事に使う」

「うん!」


私はもう一度シャーペンを傾けた。 やっぱりそれは海の音に聞こえたけれど、美憂は雨だと言い張った。



――『なんで、このシャーペン柴田が持ってんの?』


そう問われた瞬間に、私はすべてを察した。


まさか、あの時一緒に出掛けた相手が小暮千紘だったなんて、私は知らなかったのだ。

たぶん、バレた。

いや、もうとっくにアイツは勘づいていたかもしれない。でも確信がないから深く追及することもできなかったってとこだろう。


憂鬱だ。

アイツに会わなきゃいけないことが。


次に顔を合わせたらなんて言うだろうか。そう考えている内に、一夜が明けてしまった。