きみとなら、雨に濡れたい




美憂は一緒に暮らしていた時よりも私に対して愛情表現が多くなった。寂しさの表れなのかもしれない。

『和香ちゃん、大好き』

恥ずかしげもなく、いつも伝えてくる。


「あ、そういえば私、友達ができたんだよね」

美憂が嬉しそうな顔で言った。


「友達?そんなの前からいっぱいいるじゃん」

私は相変わらずいないけれど。だって、女子が話していることはアイドルグループの誰々がカッコいいとか、あの先輩がどうとか、2組のあの人には彼女がいるとか、私とは合わない話題ばかりだから。


「今までの友達とはちょっと違うの。なんていうかね……和香ちゃんに似てるんだよね」

「私に?」

「うん。少しミステリアスっていうか。いつもぼんやりしてて、ひとりでも全然平気って感じの人なんだ」


ミステリアス、ぼんやり、ひとりでも平気って……。私はそんな風に美憂に思われてたのかと苦笑いしつつ。

「でね、この前一緒に出掛けたの。あおちょーに」と美憂が続ける。


「あおちょー?なにそれ」

はじめて聞いた単語に、私は首を傾げた。