きみとなら、雨に濡れたい




雨が増えて、家の中は湿気とカビの匂いがしていた。それぐらい古いアパートに美憂がいると、なんだかとても不釣り合い。


元々周りから天使みたいだと言われていた美憂は、最近少しだけ大人っぽくなった。

セーラー服と胸まで伸びた髪の毛のせいだろうか。


一方の私はずっとショートカットだし、やっぱりスカートは慣れないので制服は家に帰れば脱ぎ捨ててしまう。

学校指定のジャージを部屋着代わりにして、そのまま次の日に学校へと登校してしまうこともある。


だから時々。いや、かなりの頻度で男に間違えられて、この間も『目つきが悪い』と上級生の男に絡まれてしまった。


……そういえば美憂は、入学式早々に告白されたらしい。

しかもこの2か月で5人の男に呼び出されたとか。


同じ双子なのに私とは大違い。余計な比較をされないから、同じ中学じゃなくてよかった、なんて思っていると……。


「和香ちゃんが同じ中学じゃないから寂しくて仕方ないよ」と、美憂が正反対のことを言った。

どうやら私たちは考えてることさえ違うらしい。