きみとなら、雨に濡れたい



こんなことを言ったらまた怒られるだろうけど、無理やり誰かがロマンチックな設定にしたとしか思えないような話だと思った。



『……私が死んでも、そんな止まない雨みたいに誰か泣いてくれたりするのかな』


美憂は冗談なのか本気なのか分からない顔で呟く。

傘に落ちてくる雨音に耳をすませながら、長いまつ毛に隠れた美憂の瞳が、すごく切ない見えた。


俺はこの時、美憂が本当にいなくなる未来なんて、一ミリも想像なんてしなかった。

美憂もきっと残された俺がこんなにも未練がましく前に進めていないとは思っていなかっただろうし、まさか本当に水飴症候群という現象が起きるということも予想していなかったかもしれない。


――好きな人を想って泣き続けている涙が雨になる。


この涙は、いつ枯れるんだろう。

この悲しみは、いつ消えるんだろう。

この雨は、いつ止むのだろう。


いつになっても、美憂という存在を俺は探してしまう。