俺はシャーペンなんて使えればなんだっていいけれど、女子が持っているシャーペンはこういう派手なものばかり。
上にチャームがついていて、透明な球体の中にはキラキラとしたビーズが入っている。
揺らすたびにビーズが傾いて、まるで海のさざ波のような音を出した。
「なにそのシャーペン、可愛い……!」
急に高木さんが声を張った。
「え、これ?」
「うん!ちょっと見せて」
シャーペンを高木さんに渡すと、高木さんもビーズを傾けて音を聞いていた。
「雨の音みたい」
「雨?海じゃない?」
「雨だよ。ほら」と、耳元で聞かされたけれど、やっぱりよく分からなかった。
「これにする!」
散々悩んでいたのに高木さんは即決だった。
「本当にそれでいいの?」
もっと小さい子が喜びそうなキャラクターの顔が動くペンもあるのに。
「これがいいの」と高木さんはシャーペンを握りしめながら、レジのほうへと向かった。



