きみとなら、雨に濡れたい




「花ノ咲(はなのざき)に行こうと思って」

花ノ咲はここから3つ先の駅。


「なにしに行くの?」

「もうすぐ妹の誕生日だからプレゼントを買いたくて」

「でもあそこもなにもないよ」

この町と比べたら多少栄えてるかもしれないけれど、田舎に変わりはない。プレゼントを買うならもう少し違う町に行けばいいのに。


「でもほら、青い鳥に行ってみたいし」

青い鳥とは、最近花ノ咲にできた雑貨屋のこと。俺は詳しく知らないけれど、女子たちが可愛いものがたくさんあると騒いでいて、〝あおちょー〟と略すのが流行りのようだ。


花ノ咲駅にはすぐに着いた。

どうやら店の場所は知っているみたいで高木さんはすぐに歩道を歩きはじめる。


……高木さんとこんな場所にいるなんてヘンな感じだ。

並んで歩くと俺のほうがわずかに目線が上。でも身長は156センチしかないので、コンクリートに映る影の背丈は同じ。


「なんでプレゼント選びに俺を誘ったの?」

友達はたくさんいるだろうし、高木さんと俺に接点はなく、今日が初めてと言っても過言じゃない。


「うーん。友達はほとんど部活だし、クラスの男子と二人きりで出掛けるなんてちょっと抵抗があるでしょ?」

……ん?高木さんの言葉にたくさんハテナマークが浮かぶ。


「お、俺も一応男だけど……」

まあ、顔もどちらかといえば女顔だから、昔はよく性別を間違えられたこともある。