ぼんやりと部屋の天井を見つめながら、美憂の最後の顔を思い出していた。
あんな悲しみを俺は今まで経験したことはなかったし、あのぽっかりと穴が空いた喪失感は今でも消えない。
美憂を送り出す葬儀はクラスメートたちと参加した。信じられないって、みんなが泣いていた。
俺はそういう周りの悲痛な顔しか、正直覚えていない。
自分は最後まで参列することができたのか、美憂の家族に挨拶はしたのか。
その帰り道、どうやって家に帰ったのかさえ、記憶がぷつりと途絶えてしまっている。
そんな気持ちを反映するように、この町は美憂がいなくなってから雨がやまなくなった。
この悲しみが癒えることなんて、ないのだろうと思う。
それぐらい彼女は、俺がはじめて好きになった人であり、はじめて愛しさを覚えた人だった。



