きみとなら、雨に濡れたい




それから数日が経って、学校では期末テストがはじまった。

10科目を三日間に分けて行うため、期間中はすべて午前中で終わり。今日は数学と英語と日本史だったので、お昼前には校舎を出ていた。


苦手な教科ばっかりだったけど、たぶん平均点はいけたと思う。

分からないところはすぐに切り捨てるタイプなので空白もちらほらあったけれど、隣の小暮の答案は嫌味なほど全部埋まってた。

私より授業中はぼんやりしてるっていうのに、不公平だ。

そんなことを考えながら、家に向かっていると……。


「和香?」

ふいに、後ろから名前を呼ばれた。


「……お、お母さん」

振り向いて、久しぶりに見た母の顔。思わず声が上擦りそうになってしまった。


「ごめんね。2週間ぐらいまともに掃除できてないからちょっと散らかったままだけど」

久しぶりに来たお母さんの家。ちょっと他人行儀みたいな言い方かもしれないけれど、実家ではないし私の家はあのアパートだから。


「なにか飲む?アイスティー?ホットティー?」

「じゃあ、アイス」


お母さんに会ったのは約一年ぶりだ。最後は美憂のお葬式の時だった。

お母さんの髪の毛はセミロングになっていた。昔から短いほうがラクだからとショートカットだったけれど、綺麗好きのお母さんが掃除できていないということは、おそらく美容院に行く暇がないのだろう。