きみとなら、雨に濡れたい




そもそも美憂のどこが好きだったのか、なんて私の質問がヘンだったと思う。

そんなの全部に決まってる。

誰もが羨む容姿と天真爛漫な性格と、双子の妹が言うのはおかしいことだけど、美憂は完璧だった。なにもかも。


「……でも俺、今考えると美憂に憧れてたんだよな」

小暮がグラウンドを見ながらぽつりと呟く。



「美憂を見てると、こんな風に誰とでも仲良くなれて必要とされて。そんな人に俺もなれたらっていう、憧れが一番惹かれた理由かもしれない」

ドクンとしたのは、窓の反射している小暮の顔があまりに寂しそうだったからじゃない。


心の中で思っては消えていたこと。

私も美憂になりたかった。

そういう口に出せなかったことを、小暮が代わりに言ってくれた気がした。


私は口べたで人見知りで、群れるのが大嫌いで。けど、美憂といると人が寄ってくるから自分まで太陽になったような気分になる。

私なんて日陰で十分なのに、美憂は絶対に私を陽の当たる場所へと連れていこうとした。

……〝あの時〟だって、そうだったと思う。


――『私は美憂と、双子になんてなりたくなかった』

言葉にしてしまったことは、永遠に消えない。


後悔が雨粒のように溜まっていく。

もう心のダムは決壊ギリギリだ。