━━ピンポーン


「……はーい、え?」

「おはよー」


着替えもして、将希がうるさいから化粧もして、髪の毛はおろしたまま、ちゃんとそれなりにおしゃれをしてから家を出た。

家にいても仕方ないし、ってかいたくないし迷わず圭介んち。


「…早くない?まだ8時すぎだけど
ってかなんで俺んちお迎え?」

「んー、今日家族が勢揃いしてるから。
だめだった?」

「いや、別にいいんだけどさ。
なんでまたそんなおしゃれなの」

「今日ちょっと用事できちゃって」


さすがに弟と、なんて言いにくいというか
弟と出掛けるのに、今までで一番気合い入ってる。

適当感なし。将希がうるさすぎて。


「ふーん?ま、上がってよ」

「お邪魔しまーす」


…弟のためにおしゃれした、なんて思われたくないしね
まぁ正確には、焼肉屋にカップル装って行くためなんだけどさ。

立派な詐欺だから、言わないでおこう。


「俺まだ着替えてもないわー」

「でしょうね。」


でも私はお構いなしにベッドの前に座る。
ワンルームだから、当然ここで着替えるわけだけども。

そんなものを見ていちいち恥じる女ではない。


「用事って何時?」

「13時に出れば大丈夫」

「ってか私服だし、今日もここにする?
どっか行く?」

「ここで映画見る~」

「好きだなぁ」


そういって圭介は歯を磨き始めたけど…もしかしてこの人、寝起き?


まぁなんでもいいけどさ…