DVDが終了したところで、





あたしは走って奈々絵の墓まで向かった。


「「めぐっ!!」」


空我を含む虹蘭のみんなが騒いで、あたしを追いかけてくる。



それでも、あたしは脇目も振らずに走り続けた。




「……奈々絵」



首につけていたネックレスから指輪を取り外し、右手の人差し指にかける。




「………恵美さん」




1番最初に追いついてきたのは、龍弥だった。






「俺は、貴方が好きです。……副総長にはすみませんけど、恵美さんは一人で生きていいような女じゃありませんよ!!」







「ごめんなさい、龍弥。卒業式の日、あんたに励まされたのは確かに事実よ。……でも、それでもあたしは奈々絵が好きよ。




……それに、独りじゃないわ。
この指輪が繋いでる」





朝日が顔を出した空に指輪を嵌め込んだ右手をかざし、あたしは笑いかけた。