「………信じてもいいのかな、俺達はあいつを救えたって」







誰に聞くわけでもなく、独り言のように俺は呟いた。






中一の時、確かに俺達の思いは通じた気がしたのに、何も言わずに姿を消してしまった奈々絵。







高一で再会するなんて思ってなかった。
……もっと話したかったな、4人でも5人でもいいから。






こんなことになるなら、めぐの惚気話でも、
病院にいる俺の両親の話でも、下らないテレビの話でも、何でもしておけば良かった。





「救えてないわけないでしょう?





……だって、ほら見てよ。こんなに笑ってる」


めぐがそう言って俺に見せてきた写真は、
高1の三月末の写真だった。






泣いている潤と、困ったようにそいつを抱いて口角だけをあげて笑う奈々絵と、その隣に頬を膨らませためぐがいた。さらにその横には、頬を紅くした俺とその俺の手を握って笑う純恋すらいる。