空我は、端の方にあった二人席に座って、
だるそうに俺を見ていた。


「……ん、いい匂い」



俺が席のところまで行くと、空我はすぐに立ち上がって俺の手からいちごのクレープを奪った。




空我はそれからすぐに椅子に座り直し、クレープにがっつき始めた。


「くっそ子供っぽい」

そういって、俺は空我の真ん前に座った。


「なっ、お前なぁ……」



空我は馬鹿にされたと思ったのか、頬を赤くして顔をしかめた。


「アハハ!!!
く、空我……クリームついてる」



空我の頬には、いちごソースのかかった生クリームがついていた。




いや、いくらなんでも子供すぎるだろこれは!!



こいつわざとじゃねぇからもはやあざといっつーの!!





空我の頬に触れ、そのクリームを親指で拭って舐めた。





「なっ……は?



な、何してんのお前。ば、馬鹿じゃねぇの……」


そう力もなく言い、空我は片手で頭を抱えた。空我の頬はリンゴみたいに真っ赤で、ものすごく照れてるのが手に取るようにわかった。