「潤ー」

インターホンを押して、潤を呼んだ。

「あれ、空我今日来れるようになったのか?面談あるとか言ってなかったっけ?」

家から出てきた潤は首を傾げる。

「……あったよ。終わったからきた。来ちゃいけないわけ?」

意地の悪い言い方だと自分でも思った。

「そんなこと言ってないだろ」

「じゃあ泊めて」

潤に抱きついて俺は言う。

「……ん、いいよ」

潤は俺の頭を撫でて、嬉しそうに口角を上げて笑った。

俺はこいつの恋心を利用している。

頼りたい時しか頼ってない。


きっと潤はその事実に気づいてるのに、それでいいと思っている。


――俺は最低だ。