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奈々絵が死んでも、時はすぎる。


奈々絵が死んでから2週間がすぎ、俺達は高二になった。

「空我くん、君進路どうするんだ」

担任が、机を挟んで目の前の椅子に座った俺に言う。今日は二者面談の日だ。


「……どうしたらいいんすかね」

未来なんて全く見えなかった。


それでも学校にはとりあえず通おうと思って、高二になってからは始業式も出て、授業もちゃんと受けた。


体育は身体見られるのが嫌でサボったけど。


「君一年の時学校あまり来てなかったから、厳しいことを言うようで申し訳ないけど、正直推薦は無理だ。

大学行きたいなら一般受験しかできない」


「……そうですよね」


「まぁ、虐待があったみたいだし通えなかったのはしょうがないと思うけど、データとして休みが多いのはよくないからね。残念だけれど」


思わず目を見開く。


「……知ってたんすか」


「確信はなかったよ。それでも去年担任だった瑞月先生や、僕はそうだと疑ってた。


君、ワイシャツ一枚で登校してきた事がないそうだね。夏のどんなに暑い日でも、薄手のカーディガンを着てたそうじゃないか。

それに、体育がある日は毎回学校を休んでただろ。

ついでに言うと、今も体育はサボってるし、カーディガン着てるよね?」


俺は頭を抱えた。