病室に足を踏み入れ、俺は奈々絵のベッドの近くまで歩く。 バッと効果音がしそうな勢いで、俺は顔の布を剥ぎ取った。 罰当りだとかそんなんどうでもよかった。 バチが当たるってんなら当たれってんだよ! どんとこいだ。 しかし、剥ぎ取って顕わになった顔は、演技なのではないかと思うほど綺麗で、穏やかな顔をしていた。 …………そいつは、笑っていたのだ。 それも、今までで一番自然な顔で。