翼にぃの右腕を、俺は渾身の力で握り潰した。




「妖斗……放せ……」





「嫌だけど?」




傷口に手のひらを滑り込ませ、血が滲んで紅くなっている皮を破いた。





「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ッ!!!!」





「翼咲っ!!」





悲鳴をあげ、翼にぃは死んだように意識を失った。





翼にぃの傷口から大量に血が流れ、それは床に真っ赤な血の海を作り出した。





光にぃが必死の形相をして椅子から立ち上がって、翼にぃの身体を担ぎ上げた。




「……心配しなくても気絶してるだけですから。




こんなことしたし、責任取って俺は白龍を抜けます。




それじゃ」






「おい待て妖斗!……どこに行く気だ。まさか、売色をまた始める気か?」







俺がドアを開けようとしたその時、光にぃは俺の腕を掴んで叫んだ。




「……アンタには関係ないでしょう?」





「関係ある、俺はお前の兄だ」