右腕を握り締めると、すぐに翼にぃは
床に張り付いた俺の体の上に倒れ、呻き声をあげた。







「痛ッ!?



嗚、呼……やめろっ……」






包帯を捲り、傷口に細い自分の指先を入れた。


傷口に指が当たるだけでも痛いのか、翼にぃは声を上げた。



「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!!!」





傷口を引っ掻くと、翼にぃは
甲高い悲鳴をあげる。




「……ねぇ痛い?





俺はこの数十倍は痛かったんだけど、どう?







毎日毎日つまんなくて、寂しくてしょうがなかったよ?






手を差し伸べられてさ、でもその手は掴んだら消えたよ。






裏切られたよ?








……どうせお前らも裏切んだろ。





何が兄貴だ、何が神様だ阿呆らしい。






そんなの俺は二度と信じねぇ」