ベッドの上で眠っている兄さんの左足の真横に座って、俺は語り出した。 届きもしないくせに。 「……俺、もう15歳になったよ。兄さんは、後1ヶ月で成人式だね」 成人式といえば、女は袴に男はスーツでビシッと決めるモノだろう。 もしかすると俺は、暁にぃのそんなかっこいい姿も見れないのではないだろうか。 そう思うと、無性に泣きたくなってしまった。 「暁、暁にぃ………っ。 ……頼むから、目を覚ましてくれよ」