親に捨てられた日、本気で自分を殺そうとして、やったのがそれだった。






……ザクッ。






頭の中にカッターで腕を切りつけた音が響いた。








思い出そうとするのも、おぞましい。








コンビニでカッターを万引きして、柄を全て出したそれを右肩に刺し、左手をつかって手首まで引きずってから、思いっきり引き抜いた。







右腕から滝のように血が流れて、俺はこのまま死ぬのかと他人事みたいに思った。








しかしそれは、そんな俺を見つけた光輝の手当によって、容易く打ち砕かれた。