“いつもいつもそうやって笑ってろよ”




脳内で翼にぃの言葉が繰り返された。




翼にぃは、簡単に俺の心に踏み込んでくる。




第一印象は怖かったけど、






荒っぽい言葉遣いにはどこか優しさがあるのがわかるんだ。





「………お、俺は、笑ってていいの?」






心の底から笑ったのはいつだったか。




……兄さんといた時以来?





作り笑いばかりしてきた。仕事のため、死ななたい為と無駄に演技ばかり覚えたこの体は、いつしか本当の笑い方を忘れていた。






人生を楽しめと、他人は言う。




楽しめない環境にいて、楽しめるハズもないのに。





それなのに、

楽しまないのは罪だと間違っているという。