それにしても、46キロってSサイズは
デカいのか?




「妖斗、これ着てみろ」



――物は試しだ。そう考えた俺は、妖斗にSサイズのカットソーを投げた。







「……ちょっと大きいか?」




妖斗が着ると、カットソーは袖が萌え袖みたいになっていた。


それに、丈がちょっと長い感じがする。2、3センチくらいながい。


「……いいよ、こんくらい。これ以上ちっちゃいのないんでしょ」






図星だった。





「……じゃあ、とりあえず俺はもうSはほとんど小さいからお前にやるよ。中1の時着てた奴だから、全部貰うかどうかはお前が決めろ」






「ん、……ありがとう」




その時、妖斗がほんの少しだけ口角を上げて笑ったように見えた。






――!

……こいつって、笑うのか。






「なーんだ、お前ちゃんと笑えるんだな。
……いつもいつもそうやって笑ってろよ。出会った時から怯えた顔とか不安そうな顔しか見てないこっちの身にもなれっつーの」






俺は文句を言うように妖斗に言った。