その日の夜、光輝と一緒に暮らしている一軒家に俺は妖斗を連れて3人で帰ってきた。
「……お邪魔します」
妖斗は、小声で言った。
「……妖斗、ここがお前の部屋な」
玄関の近くにある階段を上がった光輝は、2階の端にあるベランダ付きの部屋の扉をコンコンと叩いた。
「隣は俺の部屋で、真ん前は翼咲の部屋な。
風呂は1階のリビングの横にあるから、好きに使って。で、そーだな……布団はあるから、後は服か」
光輝はそう言って、妖斗を疑り深く見つめた。
妖斗が着ている所々が汚れた白のぶ厚めのシャツと黒のスキニージーンズは貧相さを醸していた。
……12月にその格好してたらどう考えても風邪引くだろ。
「翼咲」
光輝は俺をじっと見つめた。
「……分かった。妖斗、着いてこい」
どうやら、服を貸してやれとのことらしい。
人使いが荒いな。



