俺は教室のドアを手当たり次第に開けて、妖斗を探した。




「……妖斗」






そいつは案外、早く見つかった。




屋上の下の階。つまりは3階の右端にあった教室の鍵を開けると、何処からか女っぽいきつい香水の匂いがした。





不審に思って中に入り辺りを見回すと、教卓の下から、特徴的な白髪が見えた。





「……妖斗」



「ひっ!?」




できるだけ足音を立てずに歩き、俺は教卓の前にしゃがみこんだ。






予感的中。






教卓の下には、急に現れた俺に驚いたのか、とても怯えた顔をした妖斗が隠れていた。