『妖斗ー、お前も一緒に遊ぶか?』






『ホントに?うん、遊ぶ!!』



顔をぱあっと花みたいに輝かせた俺を見て、兄さんは笑った。






本当は、ずっと羨ましかった。







今でも、時々夢に見る。





兄さんが友達を連れて家に帰って来て、俺と兄さんとその友達で追いかけっこをして遊ぶんだ。



『妖斗待てー!!』


決まって兄さんが鬼で、俺が捕まる側だった。


『妖斗ー、暁斗ー、うるさいわよ!!』




母さんがそう注意をしても、構わず走り続けて、家をしっちゃめっちゃかに散らかした。



ただただ楽しかった。




同い年の友達が欲しいと思った。





保育園でできた友達なんて、みんな会えなくなってしまった。






だって、家も金もないんだから。






「――ねぇ、僕一人?」


事故から一週間後。道路で空腹に飢えて死にそうになっていた俺は、一人暮らしをする高校生の女の人に声を掛けられ、その人に育てられた。






でも、俺を中一まで育ててくれたその人は、




所謂監禁趣味の怖い人だった。