「妖斗、十年振りだな」 病室に入ってきた医者は、そう言って快活そうに笑った。 俺は慌てて体を起こし上げ、その人を見た。 地毛の青い髪と、柄の悪いつりあがった瞳が 俺の心臓を高鳴らせた。 「………もしかして、空にぃ?」