「でっ、でも……っ」 裏切られたら終わりの関係なんて、どれだけ不明瞭なのか。 どうしようもない不安と怖さは、言葉にならない。 「誰がお前を裁こうとしようと、俺だけはお前を赦してやるよ。……だから、俺のいる世界に来い、妖斗」 その言葉を、信じてもいいのかなんて分からなかった。 ただただ、俺は信じたかった。 赦されたかった。 でも、それと同時に俺は物凄い怖かった。 十年前みたいに、いつか砕けてしまうんじゃないだろうか……。 「…………時間を、下さい」