そう言われた瞬間、物凄い衝撃が俺達を襲った。 「じゃ、じゃああいつが今覚えてるのは……「お前ら白龍の記憶と、喰蝶に両親を殺され、兄を植物状態にされたことだけだ。後は……そうなる前の家族との記憶もかすかに覚えているかもな。 今、妖斗は初詣の出来事を、自分が喰蝶に拉致されたのだと勘違いしてる」 空我先生は、俺の言葉に被せて言った。 頭を鈍器で殴られたかのような感覚がした。 それが妖斗にとって不幸か幸福なのか、 俺にはよく分からなかった。