俺は頭の上でバンザイされて両手首が拘束された腕を口の前まで持っていき、ロープを八重歯で噛んで解いた。
「っ!!」
直後、利亜さんにアザの出来た両腕を掴まれ、手首に血が滲んだ。
しかし俺は、手首に押し寄せてきた痛みを無視して、利亜さんの頭に自分の頭をぶつけた。
「キャッ!!いったぁ……」
思わず手を離した利亜さんを気にもとめず、
俺は上半身をどうにか起こしあげて、
ナイフを左足から抜いた。
「痛っ!!!」
ナイフを抜くと、容赦なくそれに傷つけられた左足に、激痛が襲った。
俺はそんなことには構いもせず、拘束された足首をナイフを使って解く。
あいにく、痛みに耐えるのだけは慣れてんだよ!!
「んっ!!」
しかし直後、俺の唇を利亜さんが奪った。
胸を押され、俺は床に後頭部から倒れた。
間もなくして、スキニーをずり下ろされる。
体が震え、涙が出て、もう逃げようと動くことすらできやしない。
クソ。
……ダセえ。
案外呆気ないな……。



