『なぁ妖斗、いつか最強の族を作ろう。



父さんの作った黒蜜蝶よりも、
空我さんの作った亜空という暴力団よりも、もっともっと強い族だ。





東京NO.1。……いや、日本で1番強い族を作るんだ俺達で!!』




『うんっ!!』





幼い俺は、兄さんのその言葉に迷いもなく頷いた。





俺は暗い暗い部屋の中、両手の指先から足の指先まで動かすこともできず、





思い出に浸っていた。







「なぁ兄さん、俺もう疲れたよ……」



力もなく呟く。



付け根から引きずられたバタフライナイフが足首に突き刺さった左足は、もはや出血多量すぎてほとんど感覚がなかった。








腕を拘束されてるから、ナイフを抜くこともできやしない。










……俺は、このまま死ぬのか?