1時間後。
「光輝さん、手術は成功しました。じきに目覚めますよ。
迅速に送ってきて頂き、感謝致します。
後少しでも遅かったら、恐らく彼は……」
集中治療室から出てきた医者は、俺にそう言い90度くらいの深いお辞儀をした。
「目の前で死なれたら胸糞悪いですから」
俺は立ち上がり、そう快活に笑った。
「クク、そうですか。では、私はこれで。看護師には妖斗くんを2階の207号室に運ぶよう指示しておきますから。彼がが目覚めたら、またお呼びください」
快晴の空のように青い髪をした医者は、
一度楽しそうに笑ってから、
俺に義務的に言葉を返してきた。