蹴りや拳を辛うじて交わしながら倒すも、


人数が多い分、



徐々に俺達の動きは鈍くなった。





「痛っ!!!」




鉄パイプが、俺の治りかけた右腕を強打した。


「翼咲っ!!」





あまりの痛みに腕をもう片方の手で押さえつけた俺を、光輝は心配そうに見ていた。





「……っ、翼咲、1っ分だ。1分だけ、俺と聖里奈で時間を稼ぐ。妖斗と真凛と桃華を連れて、ここから逃げろ」





そう光輝はあくまで、淡々と言い放った。





「は? ふざけんな!!冗談じゃねぇ!!!死ぬぞ!!!!」





「黙れっ!!!…………これは総長命令だ」



「……っ」



そう言われたら、従わないわけには行かない……。


何で、何でこんなことになる。





「……なぁに、すぐに追いつくよ。所詮、この命親父に元々汚されることになってる。――だったら、親父に殺されるより、ここで死んだ方がよっぽどマシだ」









そう言い、光輝は爽快に笑った。