「帰りたくない、ね。


それなら、無理矢理帰らせるしかないわねぇ?」




そう言った女は、怪しい笑みを浮かべていた。





「妖斗、ちと大人しくしてろよ。




……ここからは俺達幹部の仕事だぜ。さぁ、妖斗が欲しかったらまずは俺と聖里奈を倒してみろよ」




俺は、妖斗の後ろにいた真凛に近くにいる
翼咲に連絡を取るよう目で合図した。





「悪いけど、あなた達の相手はあたしじゃないのよね。あたしは白龍に興味はないもの。あたしが用事があるのはそこの馬鹿だけよ。





喰蝶ー、さっさと白龍を殺っちゃって?」






……喰蝶、だとっ!?






「――ああっ!!」







直後、はるか後方で、聞き覚えのあるうめき声が聞こえた。






翼咲がまだ治ってない右腕を黒い服をきた男に後ろから掴み上げられていた。





男の服には、鮮やかな紅い色をした蝶のマークの刺繍がかかっていた。